キャリアファーマー中西直紀氏に聞く!引きこもり・ニートが一歩踏み出すには?
大学卒業後、東証一部重工メーカーで人事部採用担当、法人営業業務をあわせて12年経験。
その後人材ビジネスなどを経て2009年1月より、培ったコミュニケーション能力をいかしキャリアコンサルタント・講師業務を開始する。
正社員就職の支援も行っており、20年以上引きこもり経験者を社会復帰へと導いたケースもある。
自身も転職、失業経験があり、しっかり傾聴したうえで助言、提案を行うスタイルである。
その他にも高校や大学、専門学校、職業訓練校、企業、矯正施設等に出向き、幅広い層のキャリア、就職支援に携わる。
多方面にわたる経験とワイドな視点からどんな相談にも真摯に対応ができ、たくさんの引き出しを持ちあわせている。
資格(2級キャリアコンサルティング技能士・産業カウンセラー)
独立キャリアコンサルタントとして大阪を中心にキャリアの相談や就職のセミナーなど、精力的に活動している中西直紀氏。20年間ひきこもりで家族とも口を利かなくなった青年を社会復帰に導いた実績のある彼の肩書きは、〝キャリアファーマー〟。今回はそこに込められた意味や、仕事への想いについて語っていただいた。
- ヒュープロは未経験でも利用できる?未経験者のヒュープロの口コミと活用法 2023/12/18
- ヒュープロは経理の転職でも使える?経理転職を成功させるヒュープロの活用法 2023/12/18
- Amazonブラックフライデーで何買う?2023冬のボーナス事情も調査 2023/11/17
あなたが持つ「本来の力」を引き出す〝農家〟
就職も同じで、本来、人には「なりたい自分」になる力がもともと備わっているんです。でも自信をなくしてそれに気づけてない人が多いです。だから私は、不安を減らして本人の力を引き出すことをしています。
ただ、その「なりたい自分」と「いまの自分」にあまりにも差があったり、いつまでにという期限がある場合は肥料を与える場合もありますよ。「こうした方がいいよ」「こんな選択肢もあるよ」とやるべき事とかいろんな情報を提示します。
その姿を見て、本来持っている力を引き出す野菜作りと似てるなーと感じたわけです。
20年間ひきこもりから社会復帰へ導く
その人は高校生のときに1週間郵便局のアルバイト経験があるだけで、30代後半で一度も就労経験がなかったんです。
家族ともほとんど喋らなくて、私との面談でもイエス・ノーの意思表示が限界でした。
それでも2年間通い続けて、彼は39歳で正社員として働き始めることができました。
それを最大限に活かすために、いろんな質問や話を続けてきただけで魔法でもなんでもないです。
就職の話だけじゃなく、全く関係のない雑談もします。テレビ番組の話とか。
「関係構築」を一番大事にしているので。
どれだけ逃げ出しても、どれだけしくじっても、最後まで私はついてましたから。
個人的に連絡は取ってないですが、当時彼が通っていた支援機関の人からは、今でも順調に働いていると聞きました。
働くための第一歩を踏み出せない人って、「働くのが怖い」と感じている人が多いんです。
ちゃんと仕事覚えられるかなとか、コミュニケーションがうまく取れるかなとか、責任やプレッシャーに押しつぶされないかなとか。
でもその気持ちって本当はみんな同じで、みんな乗り越える力を持ってるんです。
それを引き出すことが私の強みなので、最初の一歩を踏み出せない人はぜひ任せてもらいたいです。
主役はあなた。「満足できる働き」を見つけてほしい。
ただの励ましで終わっても正直意味ありません。それよりも感情を混ぜずにフラットに話を聞いて、その人だけのゴールを見つけます。あとはそこに辿りつくことだけを考えます。
だから「中西さんの相談全然役に立たなかったけど、別のきっかけでうまくいきました。」となったとしてもOKです。
では最後に〝働く〟ことに悩む全ての方へメッセージをお願いします。
・お金のため
・自分の成長のため
・社会の貢献のため
もちろん全部大事なんですが、一番の理想として「自分が満足できる働き」をぜひ目指してください。
働くならロボットみたいに働くのは嫌じゃないですか。それより人間としての働きをしてほしいです。
もちろんその働き方は人によって違います。主役は「あなた」なので。
もしそれができないなら、相談したらいいんですよ。
実は相談ですぐ解決できることは意外とあります。そんなに難しく考えなくても大丈夫です。
今日は貴重なお話、本当にありがとうございました。
ありがとうございました。
中西氏はインタビューの間、「主役は本人」と何度も語り、人間的な働きに満足できる人が、一人でも多くあってほしいと願っていた。その想いこそが、自分への評価を度外視し、クライアントの人生をプラスにすることだけを重視する価値観を生んだのだろう。
温厚かつ謙虚で話しやすく、野菜作りの話では少年のように無邪気な笑顔を見せる中西氏。
しかしその目の奥に、キャリアファーマーとして決して妥協しない強い意志の炎が静かに燃えているのを我々は見た。