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コーチングで人の持つ無限の可能性を引き出したい! キャリアコーチ 安保奈緒美さん

安保奈緒美先生
安保奈緒美先生
キャリアコーチ

大学卒業後、事務職を経て大手人材派遣会社のコーディネーターとして2000名以上のスタッフの就業をサポート。
在職中は、派遣スタッフの面談からキャリア形成を行い、企業と派遣スタッフを繋ぐ稼働率全国No.1を達成。
チームリーダーとしてマネジメントや新人教育にも携わる。

その後、産業カウンセラーとして、働く人々のキャリアカウンセリングやメンタルヘルス対策の面談業務に従事。

現在はコーチング講座講師、キャリアコーチ、エグゼクティブコーチ、法人向けリーダー育成研修、キャリアデザイン研修を行う研修講師として活動中。

【強み・得意分野】

■キャリアデザイン

■目標設定・目標達成コーチング

■強み・リソースの発掘・強化

■自己肯定感の向上・行動力の強化

■リフレーミング

■職場の人間関係改善

■パートナーシップ構築

■主なクライアント様ご職業■

会社員(管理職、一般職)、会社経営者、個人事業主

大学研究職、薬剤師、教師、歯科医

コーチ、キャリアコンサルタント

カウンセラー、セラピスト

介護士、看護師、セミナー講師

コーチングとはなにか?
名前を聴いたことはあっても詳しくその実態をわからない人も多いのではないでしょうか。
コーチングの語源は「COACH」=「乗り合い馬車」からきています。
「大切な人を、現在の位置からその人が望むところまで安全に送り届ける」という意味です。

今回は、コーチとして数多くのクライアントにセッションを施してきた安保奈緒美さんに、コーチングとはどのようなものか、またコーチングの持つ力と可能性についてお話をうかがいました。

答えは自分自身の中にある

コーチングをされるきっかけはどういったものだったのですか?
私が初めてコーチングを受けた時に、本当はどうなりたいか?と、コーチに質問されることによって脳が動きだしたという体験を持ったんですね。今まで考えたことがないアイディアが浮かんだり、対策を考えられたり。
脳が動き出したんですか?
はい。そんな感じです。そんな感覚は初めてでした。その後、継続してコーチングを受けるなかで自分自身がすごく成長していくのを感じたので受けるだけではなく、今度は私が伝える側になりたいと思ったんです。
そうなんですね。あとはなにか理由はありましたか?
それまでは産業カウンセラーの資格をとってカウンセリングをしていたんですが、カウンセリングだと、どうしても過去に意識を向ける作業になるんです。
そうなると、堂々巡りの状態から抜け出せない人が多くて。。。
未来を見つめて一歩踏み出すにはコーチングが必要と思い、自分自身でも学んで伝えていきたいと思いました。
ただ一番大きな理由は、自分が体験してみてとても良かったからですね。
確かに自分が体験してみて良かったら、人にも伝えたくなりますね。実際コーチングとはどのように行うものなのですか?
コーチングのは大前提には、「常に答えは自分自身の中にある」というものがあります。ですから、コーチが相手を先導したり、答えを強制したりすることはありません。
あくまで自発的に新しい気づきをもたらしたり、視点をふやしたり、目標達成に必要な行動をとれるように手助けする伴走者なのです。
なるほど。ご本人が自分の中にある気づきを発見できるように質問を投げかけたり、対話をすることを通してゴールという目的地に向かって一緒に走ってくれるんですね。安保さんのコーチングを受けるのはどういった方が多いのですか?
ビジネスパーソンの方はもちろん、最近では企業の管理職や経営者の方、いわゆるエグゼクティブの方が増えてきています。
管理職や経営者など、上の立場になるほど自己成長は欠かせなくなりますし、悩みも増えるかと思うのですが、逆に上の立場になればなるほど誰に成長させてもらったらいいかわからない、誰に悩みを相談していいのかわからないという方も多くいらっしゃいます。
そういう理由があるんですね。
あと、意外に思うかもしれませんが、かつて成績優秀だった方が人材育成に深く悩まれているケースもあります。ですから、部下のコーチングをしてほしいと言われてコーチングをしたこともあります。

100%の味方でありたい

コーチングをする時に注意されていることはありますか?
コーチングを受けられる方のなかには、コーチングの領域ではない方もいらっしゃいます。コーチングの領域ではないというのは、心の状態がマイナス状態の方のことです。そういう時に、コーチングをすると、責められているように感じて、かえって悪化することがあるんです。
その場合は心の状態がマイナスからプラスの状態にまで戻るのを待って、コーチングするようにしています。
それを見極めながら、セッションができるんですね。
そうですね。私が行うセッションはあくまでコーチングが主体であり、その思いはとても強いのですが、やはりカウンセリングをしてきた経験も活かせているとは思います。
あと、カウンセリングもしてきたからか、クライアントの方が、あまり構えずに気楽に話してくれている気がします。自己開示してもらうことはコーチングをするうえでとても大事なことなんですが、それは信頼関係がなくてはできないので、そこはカウンセリングもしてきた強みかもしれません。
確かに、こうやって話していてもとても話しやすいです(笑)あと他に気をつけていることはありますか?
自己肯定感というものがあります。これは人生の根幹にかかわるとても大事なもので、これが高いと恋愛も仕事もうまくいきますし、逆に低いと物事を悲観的に捉えてしまう傾向があるんですね。
この自己肯定感は、実は話を聞いてもらっている時に一番高くなるんです。ですから、私がセッションする時は100%クライアントの味方のつもりで話を聴きます。
100%の味方ですか?
ええ。100%の味方というのは、それだけ安心感を与えたいからという意味です。
100%の安心感を与えられながら1時間、2時間、自分の話したいことだけを話題を遮らずにひたすら聞いてもらうと、必ず人は自己肯定感が高まるんですね。

大人になると、母親の胸に抱かれて安心していた幼子のような絶対的な安心感を感じる機会はなくなるじゃないですか。
だからこそ、私のセッションはそれを感じてもらえる空間にしたいなと思ってるんです。

自らの限界を超えていける

コーチングを受けることによって、どのような変化があるのですか?
あるチームのプロジェクトを任された管理職の方の話なんですが、部下から背をむけられまったく気持ちがあわずに、ひとり孤立、チームの船は沈みかけていました。とても優秀な方だったため、自分とタイプが違う部下の気持ちがわからず、自分自身のやり方を押し付けてしまっていたんですね。

半年間セッションを継続して、年齢、性別、数字だけでみないで、相手の背景や価値観がさまざまであることを理解し、ひとりひとりを大事にするというやり方に変わっていった結果、チームの雰囲気も劇的によくなり、プロジェクトが終わるころには周りのすべての人が応援してくれるほどになりました。
最終的にはプロジェクト前よりポジションも上がられて、とても良き変容を遂げられたんです。

(*記事掲載内容についてはクライアントの方からご了承いただいております)

今までの限界を超えるような素晴らしい変化が起きたんですね。コーチングのどういった力がそのような成功に導けたのでしょうか?
そうですね。その方は部下を導けないのは自分の力が足りないからだと自信を喪失していました。でも、力がないわけではなくて自分の答えがわからなかっただけなんです。自分で自分に制限を課してしまっていたんですね。
最初は自分には出来ないという思いだったのが、対話を重ねるなかでどうすれば現状を変えることができるか気づきを得て、それに沿った行動に変化していったということですね。
そうなんです。
その方はひとりひとりを大事にするということに気づくことで行動も変わり、そこからは部下との人間関係も好転して、どんどん自信を取り戻していきました。まさに、コーチングの「答えは自分自身のなかにある」が実った瞬間でした。

悩んでいる時間は人生のギフト

今後はさらにどのような活動を展開していきたいですか?
私自身、経営者や管理職の方のコーチングを行うなかで、個人のみではなく組織を支え動かす側の方のサポートも同時に行ってこそ、真の支援だと感じるようになったんですね。
それもあって現在、経営者や管理職の方とのコーチングセッションと合わせて、企業でのリーダー育成研修、キャリアデザイン研修をさせていただいていますが、これまでにないやりがいを感じています。ですから、今後は特にその分野には力をいれていきたいと思っています。

ありがとうございます。最後に働く悩みを持つすべての方にメッセージをお願いします。
悩みというのは人生の宿題で、自分と他者の成長のためであれば、悩んでいる時間もすごく大事なギフトだと思うんです。それは決して恥ずかしいことではなくて、悩んでいるからこそ人の気持ちもわかるようになるし、人の痛みも理解できるようになる。
その間は確かに苦しいけれど「それがあったからこそ今がある」と必ず後から思える時がくるんだと思っています。
だからどんな時も希望を忘れず、未来へ一歩踏み出す気持ちを持ちながら、歩いていってほしいと思いますね。

【取材後記】

長時間のインタビューにもかかわらず、どんな質問にも笑顔で気さくに答えてくださった安保さん。女性らしいたたずまいのなかにも凛とした芯の強さが垣間見えるとても素敵な女性だ。

「たくさんやりたいことがあって困るんです。」と、本人が語るとおりビジネスパーソンだけではなく、パートナーシップ、母子のコーチングなど、活躍の場は多岐にわたる。
彼女の究極の目標は「世界平和」であるという。
「壮大すぎる夢ですが、コーチングで人と人が理解しあっていくことができ、その輪が連鎖していけば、不可能ではないと思ってます。」
自らも限界を超えて挑戦し続ける安保さんに、あたたかいエールを送りたい。

インタビュアー / 江口 ひとみ