【会議編】第三話:最も簡単なファシリテーションスキル…それは『確認』よ!
早速、『確認』のファシリテーションスキルを駆使して、タナカ部長を逃がさないことに成功したヒロミ。これからの彼の益々の成長が楽しみですね。
さて、実はマンガでタナカ部長が解説してくれた『確認』のファシリテーションスキルは全部で3つあるうちの1つです。
ここからは、残りの2つのスキルも加えて『確認のファシリテーションスキル3つ』をレディータナカ達と一緒に解説していきます。
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最も簡単なファシリテーションは『確認』
タナカ部長、さっきはファシリテーションスキルを伝授して下さり、ありがとうございました!
えぇ、まぁ…初めてにしちゃあ上出来だったんじゃないかしら。(←会社に連れ戻されたので少しご機嫌ナナメのタナカ)
これで僕も『確認』のファシリテーションスキルをマスターしたってことですね!よ~しこの調子で残りのスキルもガンガン身につけるぞ~!
ん?ちょっと待ちなさい。さっき説明したのは3つある『確認』スキルのうちの1つよ?
えっ……?
言ったじゃない~★まぁいいわ、残りの2つも含めて改めて『確認』のファシリテーションスキル3つを教えてアゲルわね♡
ファシリテーションと聞くと、多くの人が人前に立って司会者のような役割をすることをイメージするかもしれませんが、第二話でもご紹介した通り、ファシリテーションとは「ゴールの達成を促進する」ためのものです。
そのため、場合によっては司会者のように振舞いますが、それだけがファシリテーションではありません。そして、そんな中でも最も簡単にできるファシリテーションのスキルが『確認』することです。
ここでは、そんな『確認』するファシリテーションスキルのうち、以下の3つをご紹介します。
- 「決まった/やるべきこと」を確認する
- 会議の目的を確認する
- 時間配分を確認する
「決まった/やるべきこと」を確認する
まず、1つ目のスキルはさっきも説明した「決まったこと/やるべきことを確認する」よ☆
これに関しては、もう僕はバッチリですよね!?
(本当にすぐ調子に乗る子ね…)ま、まぁ復習の意味も込めてもう一度ちゃんと説明するわ♪よ~く聞きなさい♡
どうして必要なのか?
まず、1つ目のファシリテーションスキルは『「決まった/やるべきこと」を確認する』ことです。
たとえどんなにスムーズに会議が進んでも、最終的に決まった内容が曖昧なままだと良い会議とは言えません。逆に言うと、会議の結論さえ参加者の間で明確になっていれば、それだけで会議の雰囲気は引き締まります。
どうすればいいのか?
そのために必要なことは、会議終了時に「決まったこと」と「やるべきこと」を確認する、ただこれだけです。
とても簡単な方法ですが、実際に行われている会議は少ないかもしれません。なぜなら、多くの人は会議で決まった内容などわかっていて当然だと考えており、わざわざ確認をしないからです。
しかし、実際は一部の内容を聞き逃した人、勘違いしている人、忘れてしまった人が少なからず存在します。そういった人たちは「理解したつもり」になっており、会議の結論を正しく理解できていない可能性があります。
そこで会議終了時に確認を行うことでそういった人たちをまとめてカバーし、全員の理解を一つに統一させるといった効果があります。
注意すべきポイント
「決まったこと」「やるべきこと」を確認する際に、注意すべきポイントは以下の通りです。
- 「誰が」と「いつまでに」を確認する
- 決まってないことも確認する
「誰が」と「いつまでに」を確認する
たとえ「やるべきこと」を確認しても、それを「誰が」「いつまでに」やるのかが伝わっていなければ、実行される可能性は非常に低くなります。
そのため、「やるべきこと」を確認する際には、必ず「誰が」「いつまでに」やるのかを一緒に確認するようにしましょう。
決まってないことも確認する
その会議で「決まってないこと」は決まったことと同じくらい重要です。決まったことに満足して重要なことが漏れてしまわないように、最後に「決まってないこと」も一緒に確認するようにしましょう。
会議の目的を確認する
全員の理解を一つに統一させる…決まってないことも大事…すみません、僕が思ってた以上に深いんですね。表面しか理解できていませんでした…
ふふ、それが理解できただけでも十分立派よ☆しっかり成長できてると思うわ♡
うぅ…ありがとうございます。
じゃあこの調子で次は2つ目の確認スキル「会議の目的を確認する」について解説しちゃうわよ!♪
どうして必要なのか?
2つ目のファシリテーションスキルは『会議の目的を確認する』ことです。
会議の最中に「この会議はどこに向かってるんだろう…」と思ったことはありませんか?これは参加者が会議のゴールを理解しておらず、迷子になっている状態です。
ゴールのわからないマラソンをイメージして頂けると分かるかと思いますが、人はゴール(目的)を理解しているのといないのとでは、疲労感が大きく異なります。
また、会議の目的を理解できていればそこを目指した進め方ができるため、会議に臨む意識も大きく違ってくるでしょう。
どうすればいいのか?
そのために必要なことは、会議の開始時に、その会議の終了条件を確認することです。早く議題に入りたい気持ちを抑えて、参加者全員と会議の目的を共有する時間を設けてください。
また、終了条件は「~すること」ではなく「どんな状態か」を考えるようにしましょう。「~すること」とは目的ではなく手段です。それをした結果、どういった状態になりたいのか?まで考えなければ、会議の目的としては不十分だと言えます。
注意すべきポイント
会議の終了条件を考える際に注意すべきポイントは以下の通りです。
- 手段ではなく目的で考える
- 目的は判定しやすい形で表現する
先にも少し述べましたが、会議の終了条件を「~すること」といった手段にしてしまうと、本当に得たかった目的に到達しないまま終了してしまう可能性もあります。
例えば、「コピー機の使い方を説明すること」といった終了条件の場合、使い方の説明だけで会議が終了するかもしれません。しかし、本当の目的はコピー機の使い方を説明した結果どうなるかが重要なはずです。
そのため、「~すること」といった条件を思いついた場合、「それをやった結果、どういう状態になりたいのか?」を考えて、終了条件を再設定しましょう。
今回の例で言えば、「Aさんがコピー機の使い方を他の人に教えられる状態」のような終了条件にすれば、目的が達成できたかどうかを判定しやすいはずです。
時間配分を確認する
言われてみれば当たり前だと思うけど…確かにどこに向かってるのかわからない会議って結構ありますよね。
そうよね☆それに目的が最初からはっきりしていれば、話がズレた時に軌道修正もしやすくなるの♪結果として会議時間の短縮にもつながると思うわ♡
事前に会議の目的を確認するだけでこれだけの効果があるのならやらない手はないですね!
ふふふ☆ちゃんと理解できてるようね♡じゃあ最後のスキルに行くわよ♪3つ目の確認スキル…それは、「時間配分の確認」よ!
どうして必要なのか?
3つ目のファシリテーションスキルは『時間配分を確認する』ことです。
会議では複数の議題が扱われることもありますが、それぞれの議題にかかる時間が明らかになっていることは多くありません。
会議全体の時間は明らかになっていても、各議題にかかる時間が不明確では、本当に時間内に会議が終わるのか「やってみないと分からない」状態です。そんな状態では、当然グダグダな会議になります。
どうすればいいのか?
必要なことは、どの議題にどれくらいの時間をかけて議論するのかを会議の開始時に確認することです。
議題毎の所要時間を参加者全員が理解していれば、「この議題は早く結論を出す必要がある」「この議題はじっくり時間をかけて考えよう」など、会議全体の進め方をイメージしやすくなります。
注意すべきポイント
時間配分を確認する上で注意すべきポイントは以下の通りです。
- 参加者に時間を意識させる
- 経過時間・残り時間を周知する
- 終わらないとわかれば次の対応を決める
参加者に時間を意識させる
時間配分を確認することの一番の目的は時間通りに議論を終わらせることではなく、『参加者に時間を意識させる』ことです。
時間通りに終わらせるのはもちろん重要ですが、それを一番の目的にしてしまうと窮屈な会議となり、発言量も減ってしまうでしょう。そのため、まずは参加者全員が時間内に議論を終わらせる意識を持つといった目的がいいでしょう。
結果的に時間内に終わらなかったとしても、その経験を積み重ねることで、時間を見積もる感覚も磨かれていくでしょう。
経過時間・残り時間を周知する
参加者全員に時間を意識させるためには、開始時に時間配分を確認するだけでなく、会議の途中で経過時間や残り時間を確認することがより重要です。
具体的には、「あと〇〇分です」「いま〇〇分経過しました」などの声かけをすると良いでしょう。開始時の確認よりもハードルは高いかと思いますが、その分時間に対する意識はより強くなるでしょう。
終わらないとわかれば次の対応を決める
所要時間を意識して議論を進めていくうちに、このままでは会議が時間内に終わらないと分かる場合があるでしょう。
時間の意識が低い場合、結論が出るまでズルズルと会議が長引くことも多いですが、それではいつまで経っても「長い会議」のままです。
会議が時間内に終わらないとわかれば、その時点で次の対応を決めましょう。また、次の対応はファシリテーターが一人で決めるのではなく、参加者全員で決めることも非常に重要です。
具体的な対応は以下の3択がおすすめです。
-
<会議が終わらない場合の対応3択>
- 会議を延長する
- 議題を次回に持ち越す
- 残りはメールでやり取り
まとめ
タナカ部長、今日はありがとうございました!『確認』って一見当たり前のことばかりだけど、それだけみんなが「わかったつもり」になってることがよくわかりました!
ヒロミ!良い所に気づいたわね☆そうなの、今日アタシが説明したのは誰もがわかったつもりになってる基本的なことばかりよ♪そういった基本を再確認させるのが『確認』のファシリテーションってわ・け♡
僕もこれからどんどん確認していきます!ではタナカ部長…早速ですが、時間の確認をしてもよろしいでしょうか?
ん?いいわよ☆どうしたの?
「終電まであと5分」です…
もっと早くに言いなさい!!#$%…走るわよ!!!
いかがだったでしょうか。ファシリテーションと聞くと、何かスゴイことをやるようなイメージを持つかもしれませんが、この『確認』のスキルはいたって基本的な事ばかりです。
しかし、この基本こそがゴールの達成には欠かせないものであり、多くの人が疎かにしていると今回の解説でご理解頂けたかと思います。
また、『確認』のファシリテーションには特別な知識や技術は不要で、やろうと思えばすぐにでも実施できます。ぜひ次の会議にも取り入れてみてくださいね。
次回、第四話では『可視化』のファシリテーションスキルについて解説しますのでお楽しみに!
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<『確認』のファシリテーションまとめ>
- 会議終了時に「決まったこと/やるべきことを確認」して、全員の理解を統一する。
- 会議開始時に「会議の目的・ゴールを確認」する。
- 会議開始時に「時間配分を確認」し、会議中も時間の意識を促す。
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