【会議編】第五話:『促進』のプロはレディのエスコートもプロ級よ!
見事(?)多村さんと打ち解けることに成功したヒロミ。きっと会議本番でもうまく発言を引き出すことができるでしょう。
そして今回ご紹介するのは『促進』のファシリテーションスキルです。
そもそも”facilitation(ファシリテーション)”には「促進」の意味もあるため、今回ご紹介するスキルはメインとなるスキルと言ってもいいでしょう。
マンガでタナカ部長がヒロミに伝えた「参加者の本音を引き出す」に加え、全部で3つの『促進』スキルをレディータナカ達と一緒にご紹介します。
それでは一緒に見ていきましょう。
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会議の場を『促進』させる
タナカ部長!無事多村さんと打ち解けることができました!これで促進のスキルはばっちりです!!
またヒロミはそうやってすぐに調子に乗って…さっき教えたのはあくまで促進スキルのうちの一つよ!
えっ!?そうなんですか…どうして全部教えてくれないんですか!?
だって一度に教えても覚えられないでしょ…?
う…まぁ確かに…でも、早く成長したいんです!
…本気のようね。わかったわ☆それじゃあこれから『促進』の3つのスキル全てをどっぷりと教えてア・ゲ・ル♡
会議の終了条件や結論を『確認』し、議論の中身が『可視化』されていれば、会議が脱線したり長引いたりするのはかなり防げるでしょう。
しかし、そもそも「意見が出ない」「議論が行われない」などの問題がある場合、良い会議をするのはまだまだ困難です。そこで必要となるのが、会議を『促進』させるファシリテーションスキルです。
いわゆる会議を「仕切る」ためのスキルで、多くの方がもつファシリテーターのイメージに最も近いものかと思います。具体的には以下の3つをご紹介します。
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<促進のファシリテーションスキル>
- 参加者の本音を引き出す
- 対話を促して合意を形成する
- 会議の振り返りをする
参加者の本音を引き出す
まずはさっきも紹介した「参加者の本音を引き出す」よ☆さらに細かい部分を説明するわね♪
どうして必要なのか?
第1話でもお伝えしたように、会議とは『参加者全員で考え抜いて【新しい正解】を生み出す場』です。しかし、実際は特定の人に発言が偏っていたり、全く発言していない人がいることが多々あります。
そのため、特定の誰かの案ではなく「より良い第3案」を生み出すためにも、できる限り多くの参加者から意見を引き出す必要があります。尚、会議中に発言しない人には以下の5パターンがあります。
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<発言しない人の5つのパターン>
- 議論についていけてない
- モヤモヤがあるが、まとまっていない
- 言いたいことを遠慮して言えない
- 他の人の意見と同じなので言わない
- 議論に興味がない
こういった人たちが全員納得して会議を終了できるよう、会議中に本音をしっかり引き出す工夫が必要です。
特にパターン1~3の人をそのままにしておくと、会議終了後に反対意見が出てくることもあるわ☆そうならないためにも会議中に発言してもらうことが重要なの♪
どうすればいいのか?
ファシリテーターがやるべきことは「参加者に意見を言わせる」のではなく、会議中に参加者一人一人が「自然に意見を言える環境を作る」ことです。
ファシリテーターに「意見を言わされる」のでは本音を引き出したとは言えません。
注意すべきポイント
会議中に参加者一人一人が自然に意見を言える環境を作るためのポイントは以下の4つです。
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<環境づくりの4つのポイント>
- 相手に共感・感謝する
- 場の雰囲気を作る
- 名指しで発言を促す
- 真意を引き出す質問をする
相手に共感・感謝する
もし会議の場で自分に対して敵意をむき出しにしている人がいたら、誰だって進んで発言しようとは思いません。
そのため、自然に意見を言える環境を作るためには、相手の発言に共感し、肯定し、感謝してください。そうすることで、多くの人は自然に「もっと発言しよう」との気持ちになります。
具体的には以下の動作がおすすめです。
1.発言に対して興味を示す
⇒体を発言者の方に向け、興味があることを体の動きで示す
2.うなずいて同意を表す
⇒「確かに」とうなずくことで、発言に同意していることを表す
3.発言に対して感謝を伝える
⇒さらりとお礼を言うことで、発言してくれたことに感謝する
4.オウム返しをして共感を促す
⇒多少言葉を変えつつ、同じ言葉を繰り返すことで共感を促す
「良い指摘ね☆」「気付かなかったわ♪」みたいなことも積極的に口にすれば、より相手に共感や感謝を伝えられるわ♪意識してみなさい♡
場の雰囲気を作る
自然に意見を言える環境を作るためには、場の雰囲気もファシリテーターが作る必要があります。そしてそのためには、会議の開始前10分間がポイントです。
誰もが発言しやすい和やかな雰囲気を作りたければ、会議の開始10分前に笑いが起きるような雑談をしてみてください。それだけで会議の雰囲気はガラッと変わります。
逆に重要な決定事項があるような場合には、会議の開始10分前をピリッとした雰囲気で過ごせば、会議もそういった雰囲気になるでしょう。
いずれの場合も、ファシリテーターにとっては場の雰囲気を作ることも大切な役割です。
名指しで発言を促す
「誰か意見はありませんか?」こんなセリフを会議中よく耳にするかもしれません。
しかし、こう言われると参加者は自分が発言してもいいかどうか、周囲の空気を読み始めてしまいます。そしてそれが結果的に発言に対するハードルとなります。
そのため、参加者全員に対して意見があるか聞くのではなく、名指しで指名した方が発言は生まれやすくなります。
しかし、かといってただやみくもに名指ししていれば結局参加者にプレッシャーを与えることに変わりはありません。
そうではなく、参加者の表情などを細かく観察し、「何か言いたそう」「納得してなさそう」と感じた相手に対して名指しするよう心掛けてください。
やっぱりファシリテーターはどんな時も注意深く周りを観察しておく必要があるんですね。
真意を引き出す質問をする
相手の表情を読み取り名指しで発言を促すことで、会議の発言量は増えるでしょう。しかし、そこからさらに発言量を増やしたい場合、質問の仕方に注意してみてください。
人は質問を受けることで思考が整理されたり刺激されたりします。そのため、質問の仕方を工夫すれば、相手の真意をさらに引き出せます。
具体的には次の3つの質問をしてみて下さい。
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<ファシリテーターの基本質問3つ>
- 具体的には?
- どうしてそう思うのですか?
- 他にはありませんか?
まず、一つ目の「具体的には?」と質問することで、相手の発言を正確に理解できます。
会議中の発言には抽象的なものが多いため、一つの発言でも人によって受け取り方が違うとった状況に陥りかねません。それを防ぐため、相手の発言を具体化して正確に理解しましょう。
次に2つ目の「どうしてそう思うのですか?」といった質問ですが、これにより相手の発言がどんな価値観から生まれているのか、つまり相手の発言の真意を理解できます。
最後に3つ目の「他にはありませんか?」と質問することで、発言に漏れがないかを確認できます。ここで言いたいことを全て出し切ってもらうことを意識して下さい。
「他にはありませんか?」は意外に強力な質問よ☆これを言われると脳が勝手に自分が言いたいことを探し始めるわ。試してみて♡
対話を促して合意を形成する
参加者の本音を引き出すにも色んなテクニックがあるんですね!
そうなの☆でも、これらの前提となっているのがさっきも言ったように「共感・感謝・肯定」よ♡
確かにその前提がないと、ただ相手を操るだけになってしまいますね…
そういうこと☆こうして参加者から本音を引き出すことができれば、次にやって欲しいのは「対話を促すこと」よ♪それじゃあ説明するわね♡
どうして必要なのか?
参加者から発言を引き出せるようになれば、会議の発言量は大きく増えるでしょう。もちろんこれだけでも何もしないよりはいいのですが、まだまだ良い会議とは言えません。
たとえファシリテーターが発言を促しても、特定の一人がずっと話し続けている状況では「声の大きい人の意見が通る」といった印象を参加者に与えてしまうでしょう。
これでは、『参加者全員で考え抜いて新しい正解を生み出す場』とは言えません。そうではなく、参加者全員が活発に意見を交換できるような状態を作り上げる必要があります。
どうすればいいのか?
そのためにやるべきことは非常にシンプルです。それは、会議中に意見や質問が出たら話を横に振るだけです。
「Aさんの意見は確かにその通りですね。Bさんはどう思いますか?」
このようにファシリテーターが話を他の人に投げるだけで、参加者同士の議論が活性化された状態を作ることができます。
ここで注意してほしいのは、「ファシリテーターは参加者からの質問に全て答えなければいけない」といった勘違いです。
ファシリテーターは質問に答えるのではなく、あえて他の参加者に質問を振ることで議論を活性化できることを忘れないでください。
そうだったんですね…全ての質問に答えないといけないプレッシャーで最近寝不足だったんです…よかった…
注意すべきポイント
やるべきことは非常にシンプルですが、話を横に振る時のポイントを2つご紹介します。
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<話を振る時のポイント2つ>
- 個人の考えに基づく発言は横に振る
- 「合意形成の氷山モデル」を意識する
個人の考えに基づく発言は横に振る
話を横に振ると言っても、全ての発言を振っていては不毛な議論を生む結果になってしまいます。そこで、「個人の考えに基づく発言」が来たら横に振ることを意識してみて下さい。
具体的には「質問」「意見」「提案」などです。これらは人によって考えが変わる可能性がある発言のため、他の人に話を振ることで議論が発展しやすくなります。
一方、「事実に基づく発言」の場合は横に振る必要はありません。具体的には「事実の共有」「状況や結果の報告」などです。
これらは人によって事実が変わるといったことはありません。そのため、話を振られた方も発言に困ってしまい、議論が発展することは少ないでしょう。
基本的に「質問」「意見」「提案」に対する答えは人の数だけあると思っていいわよ♪
「合意形成の氷山モデル」を意識する
2つ目のポイントは「合意形成の氷山モデル」を意識することです。まずは以下の図を見てください。
図のように、氷山の上の方に「意見・アイデア」があり、大部分を占める氷山の下の方に「経験・価値観」が存在します。
通常の議論で見えているのは氷山の上の方(意見・アイデア)だけです。しかし、それだけではいくら議論をしても主張の押し付け合いにしかなりません。
お互いの氷山の下の方(経験・価値観)を理解できて初めて、本当の意味での対話が成立するのです。
そのため、対話を促したい場合は、参加者の「経験・価値観」同士をぶつけるように議論を促すことを意識して下さい。
また、先に説明した3つの質問を使うことで、氷山の上の方(→具体的には?)も下の方(→どうしてそう思うのですか?)も紐解いていけるでしょう。
そもそも最初は氷山の上の方(意見・アイデア)さえ霧がかかって見えないと思いなさい☆まずは霧を晴らし、それから氷山の下の方を紐解き、真の意味での対話を促すのよ♪ここはまさにファシリテーターの腕の見せ所ね♡
会議の振り返りをする
すごい…普段行われてる会話は、あくまで氷山の一角だったんですね!
そうなの☆氷山の下の方同士の議論はお互いにとって非常に納得度の高いものとなるわ♪
促進のスキルはこれで全てですか…?
最後に大切なスキルがあるわ…それは「会議の振り返りをする」ことよ☆さぁ一緒に見ていきましょう♡
どうして必要なのか?
業務の品質を向上していくために、作業の振り返りが必須なことは恐らく皆さんも同意して頂けるかと思います。しかし、不思議なことに会議に関してはこれができていないケースが非常に多いです。
逆に言うと、これまでしていなかった振り返りを意識するだけで、会議の品質を一気に高めることが可能ということです。
具体的には以下の振り返りが必要です。
- 参加者の感想を元に会議の品質を確認
- 良かった点の再現性を高める
- 悪かった点の改善方法を検討する
どうすればいいのか?
やることは非常に簡単です。会議の終わりにファシリテーターが参加者全員に対して、「感想」「良かった点」「悪かった点」を言ってもらうだけです。
この時、出てきた発言をしっかり『可視化』することも忘れないようにしましょう(※『可視化』については第四話参照)
これだけで現状の会議の品質、今後も継続した方がいい事、今後は改善する必要がある事が明確になり、更にこれを繰り返すことで自身の成長も実感できるでしょう。
注意すべきポイント
最も大切なのは「参加者が感じたことを率直に話してもらう」ことです。
ファシリテーターから感想を求められると、多くの人は「良いことを言おう」「役に立つアドバイスをしよう」などといった気持ちが生まれてしまいます。
しかし、それでは参加者の本音はわかりません。ファシリテーターはこれまでお伝えしたようなテクニックを駆使して、いかに率直な意見が言える雰囲気を作るか?を意識するようにしてください。
確かに感想を求められると「ちゃんとしたこと」を言わなきゃって思っちゃうな…でも相手にそう思わせちゃダメなんですね!
まとめ
タナカ部長、今日はありがとうございました。『促進』のスキル…正直かなり難しいと感じたけれど、これを身につければ自分にも自信が持てそうです!
最初からできる子なんていないわ☆何度も失敗して、周りの参加者にも助けてもらいながら一歩ずつ成長していけばいいの♡
はいっ!絶対にこのスキルを身につけて『促進のプロ』になってやります!
ふふ、頼もしいわね☆それじゃあレディのエスコート序論として、これからアタシが席に着くときは毎回椅子を引いてもらおうかしら♡
それってただの召使いじゃ…
いかがだったでしょうか。今回ご紹介した『促進』のファシリテーションスキルは全体的に難易度は高めです。
しかし、これらのスキルを持ったファシリテーターが1人でもいれば、会議の雰囲気、質は大きく変わるでしょう。
レディがヒロミに言ったように、何度も失敗を重ね、参加者全員で協力し合いながら、ファシリテーションスキルに磨きをかけて下さいね。
次回、第六話では『準備』のファシリテーションスキルについて解説します。これまでご紹介したスキルの土台となる部分ですので非常に大切な内容です、お楽しみに!
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<促進のファシリテーションまとめ>
- 参加者の本音を引き出す
- 対話を促して合意を形成する
- 会議の振り返りをする
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