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残業代の未払いを弁護士に相談するメリット・デメリットから費用まで

残業代の未払いを弁護士に相談するメリット・デメリットから費用まで

「会社が残業代を支払ってくれない」、「請求しても無視される」といった場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
労務問題の専門家である弁護士の力を借りることで、ストレスなく未払いの残業代を取り戻せる可能性があります。

しかし、弁護士への相談にハードルの高さを感じており、一歩を踏み出せない方もいるのではないでしょうか。

今回は、残業代の未払い事案を弁護士に相談したい方に向けて、相談のメリットとデメリット、流れ、費用の相場まで詳しく解説していきます。

弁護士に相談するメリット

弁護士に相談することで、未払いの残業代が支払われる可能性が高まります。弁護士に相談するメリットについて、詳しくみていきましょう。

スムーズに残業代が支払われる可能性がある

残業代の未払いが法律違反であることと、弁護士に相談したことを伝えるだけで、スムーズに残業代が支払われる可能性があります。相談の次の段階は、弁護士が会社側に残業代を請求することです。それでも支払われなければ、労働審判を申し立て、残業代を請求します。

このように、段階が進むほど事態が大きくなり、場合によっては会社の評判が落ちてしまいます。
早い段階で残業代を支払った方が事を荒立てなくて済み、会社の評判が落ちることを防げるため、弁護士に相談したことを伝えるだけで、未払いの残業代が支払われる可能性があります。

時効までに未払い残業代を回収できる可能性が高まる

未払い残業代の時効は、労働基準法第115条にて2年と定められているため、会社と押し問答をしているうちに時効に達し、受け取れる未払い残業代が減ってしまう場合があります。できるだけ早く未払い残業代を請求し、自分では解決できないと思った時点で早めに弁護士に相談することが大切です。

残業代の請求額を正しく確定できる

未払いの残業代を請求しようにも、証拠となる資料に基づいて正確な額を請求できなければ、会社に対応させることができません。通常であれば、会社側が未払いの残業代を計算して支払うべきですが、すでに再三請求しているのに支払わない会社の場合は、請求した残業代が間違っている時点で誠意のある対応は期待できなくなります。

「請求された残業代が間違っていては、こちらとしても支払えない」などと言い、逃げられてしまうのです。根拠となる資料と紐付けて、正しい未払い残業代を請求することで、対応される可能性が高まります。

心身への負担を抑えられる

自分で未払いの残業代を会社へ請求する場合、様々な証拠を集めたり未払いの残業代を計算したりすることに時間と手間がかかります。仕事をしながら未払い残業代の請求の準備をすると、心身に大きな負担がかかるでしょう。また、請求したところで会社がスムーズに支払うとは限らず、泣き寝入りすることにもなりかねません。

弁護士に依頼すれば、心身への負担が抑えられ、専門家の知識やノウハウを用いた成功率が高い未払い残業代請求が可能となります。

労働審判や労働裁判を一任できる

会社と交渉した結果、それでも未払い残業代を支払わない姿勢の場合は、労働審判の申し立てや労働裁判を行うことになります。この場合、法律に基づいた主張や証拠を用いた残業代未払いの立証など、専門知識が必要です。弁護士に任せることで、会社の主張の問題点を指摘し、依頼者にとって良い結果となる証拠の提示や法的主張が可能となります。

弁護士に相談するデメリット

弁護士に相談するデメリットは次のとおりです。

費用がかかる

弁護士への相談は時間制限ありで無料の場合もありますが、実際に解決に向けて依頼する場合は費用がかかります。しかしながら、自分で残業代を請求するにしても、会社がスムーズに支払うとは限らず、証拠集めや交渉に身を削ることになるため、費用がかかっても弁護士に相談した方がいいと言えるでしょう。

また、弁護士に依頼して未払い残業代の回収に成功した場合、回収した残業代に応じた費用がかかることが一般的です。法外な費用を請求される心配はないため、やはり費用がかかることは大きなデメリットとは言えません。

会社に居づらくなる場合がある

弁護士に依頼することで、会社としては本腰を入れて対応をせざるを得なくなります。まるで自分が敵かのような態度をとられる場合もあるでしょう。未払い残業代を回収できたとしても、その後に会社に居づらくなり、転職を余儀なくされる可能性があります。

ただし、ある程度規模が大きい会社の場合、現場の社員や上司は残業代の未払いに関与しておらず、問題解決後に居づらくならないと考えられるでしょう。あくまでも、経営層だけが関わっており、経営層と会う機会が少ない職場であれば、それほど大きな影響はないと予想できます。

弁護士への相談の流れ

未払い残業代問題を弁護士に相談する流れは次のとおりです。

弁護士を探す

まずは、労働問題に詳しい弁護士を探しましょう。日本弁護士連合会のHPから「ひまわりサーチ」を利用すれば、取扱分野までを含めた詳細検索が可能です。また、「残業代未払い 弁護士 地域名」でネット検索するのもいいでしょう。

弁護士事務所のHPに記載の費用や相談に関する項目を確認し、自分に合った弁護士を選ぶことが大切です。場合によっては、複数の弁護士に相談し、相性を見てから依頼する弁護士を選ぶといいでしょう。

事務所に行き相談する

弁護士事務所に行き、残業代未払い問題について相談します。資料を持参することで、未払いの残業代を回収できる可能性や法的な問題の有無について確認できます。この段階で実際に依頼するかどうかを決めても、一旦自宅に持ち帰ってから決めてもどちらでも問題ありません。

未払い残業代で弁護士に相談するときの持ち物

未払い残業代で弁護士に相談する際には、証拠となる資料などを持参しましょう。全ての資料が揃っていなくても問題ありません。次のような資料をできるだけ多く集めましょう。

雇用契約書や労働契約書

雇用契約書や労働契約書には、残業代支給のルールが記載されているため、残業代の支払いが必要である証拠となります。雇用契約書や労働契約書は、労働者の雇用時に必ず交付することが法律で義務づけられています。

就業規則

労働に関する取り決めをまとめた書面で、労働者が求めた際に閲覧できるようにしなければなりません。終業時間や残業の有無、休日などについて記載されているため、未払い残業代の計算に必要です。就業規則の原本は持ちだせないため、コピーしましょう。

給与明細

実際に受け取った給与や残業代が記載されているため、未払い残業代の計算に必要です。給与明細は、紙面の場合とウェブ閲覧の場合があります。スムーズに弁護士に提示できるように、ウェブ閲覧のものは印刷しておくといいでしょう。

タイムカードや勤怠表

タイムカードや勤怠表などは、始業時間と終業時間の把握に必要です。実際に働いた時間の証明となるため、未払い残業代の計算に欠かせません。タイムカードや勤怠表に限らず、申告表や日報なども証拠として有力のため、できるだけ多くの資料を確保しましょう。

ただし、始業時間と終業時間の証拠となる資料が存在していなかったり、正しく運用されていなかったりする場合もあります。この場合は、有力な証拠として扱えず、他の資料を用いて証明していくことになるでしょう。

メールの送受信履歴

メールの送受信時には記録が残るため、いつからいつまで会社で労働していたか証明できます。ただし、送信に関しては予約できるメールアプリもあるため、場合によってはそれほど有力な証拠になりません。このようなことも含め弁護士に確認した方がいいでしょう。

始業・終業時間を記載した備忘録

日記などの備忘録に始業時間と終業時間を記載していた場合、有力な証拠になり得ます。また、業務内容や退勤時間を記載した文書を自分のメールアドレスに送信し、記録しておく方法も有効です。

ただし、走り書きのメモであったり、日記として体裁が保たれていなかったりする場合は、証拠として扱えない可能性があります。

残業の指示を受けて承諾したことがわかる資料

会社の指示で残業していたことがわかる資料を用意しましょう。残業指示書や残業指示のメール、指示の際に受け取ったメモなどが証拠として有効です。

残業時間中の業務内容がわかる資料

業務日誌など、残業時間中の業務内容がわかる資料を用意しましょう。残業時間中にだらだらと遊んでいたのではなく、業務を遂行していたことの証拠となります。

弁護士費用の相場

弁護士費用は、事務所によって異なるため、大体の相場を把握しておきましょう。相談と依頼時で、別々に費用がかかるので、それぞれ詳しく解説していきます。

相談

弁護士事務所によっては、初回相談のみ無料で受けつけています。基本的に、1時間1万円程度かかると考えておきましょう。また、労働相談に関しては無制限で無料相談が可能な場合もあります。

依頼

未払い残業代の計算や会社との交渉などを依頼する場合、着手金がかかります。
着手金の相場は約5万~10万円となっています。
そして、未払い残業代が支払われた場合は、回収できた金額の20~30%程度の成功報酬がかかります。
その他、労働審判の申し立ては15万~20万円程度、労働裁判は30万~35万円程度が相場です。

いずれも、あくまで相場のため、若干の誤差がみられる可能性があります。

まとめ

残業代の未払いを弁護士に相談することで、時効までに未払い分を全て回収できる可能性が高まります。普段の仕事をこなしつつ未払い残業代の回収に時間と手間を費やすのは、心身に大きな負担がかかるでしょう。法律の専門家である弁護士に相談して、早めの解決を目指しましょう。


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