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LINEでパワハラになるケースとは? 判断基準と対処法についても

LINEでパワハラになるケースとは? 判断基準と対処法についても

退勤後、自宅でスマホ片手に動画やネットを楽しんでいると、LINEの通知が。
誰かと思い確認してみると、上司からと表示されます。慌ててメッセージを見ると、

「あの件、しっかりやってくれているだろうね?」

せっかくのプライベートが台無しですよね。近年、LINEを使ったパワハラが大きな問題となっています。
本記事では、LINEでパワハラになるメッセージの判断基準から、対処法についても紹介します。

パワハラになるLINEとは

LINEでのパワハラは、実は深刻な問題でもあります。通信技術の発展した現代では、スマホと個人は強く結びつけられています。

時間や場所を問わず、常に連絡を取れることが、パワハラをさらに加速させるケースもあるのです。
被害者がパワハラによって精神的苦痛をすでに受けているとします。
職場を離れても、LINEによってさらなる追い打ちがあれば、プライベートでも苦痛は続きます。その結果、命に関わる深刻な事態に発展しかねないのです。

そこで、最初にパワハラになるLINEについて確認していきたいと思います。

社内LINEグループでの誹謗中傷や人格を否定するメッセージ

社内LINEグループで、特定の人物を誹謗中傷したり、人格を否定する内容のメッセージを送ることはパワハラになります。

職場で対面であっても、人格を否定するような発言や行為はパワハラです。それは、LINEに場が移ったとしても同様のことになります。
しかし、LINEの場合は特に注意が必要になります。顔が見えず、退勤後など緊張感がなくなりリラックスした状態では、自制が効かなくなりやすいからです。

スマホという個人的空間の場合、職場で対面するのとは異なり、他人の目もありません。グループLINEでからかう程度だったメッセージが次第にエスカレートすれば、容易にパワハラに発展してしまいます。

LINEだけでなく、SNSでの炎上が社会問題化していますが、その本質的な問題はLINEでのパワハラにも十分に当てはまるでしょう。

退社後・深夜・休日祝日に業務に関するLINE

退社後・深夜・休日祝日に、業務についてのメッセージを送ることはパワハラになる可能性があります。

緊急時を除き、退社後は社員にとってプライベートの時間です。つまり、業務を離れた一個人としての時間ということになります。就業時間外に、業務への対応を促したり強制したりすることは、プライベートを著しく侵害することになるのです。

深夜にLINEが送られてきても、寝ているので返信できません。翌朝に、返信しなかったことを咎められれば、精神的苦痛を感じるでしょう。

経営者や上司が、「常に対応できる状態にあるべき」と考え、社員や部下にLINEへの返信を強制させるなら、パワハラの危険性が高いです。そのような状態では、社員や部下にとっては公私の区別がなく、常に就業時間内のような緊張感を保たねばなりません。

それでは心休まる暇がなく、精神的疲労と苦痛が蓄積され、「パワハラだ」と感じることになるでしょう。

プライベートといった業務に関係ない内容

業務に関係ない内容のLINEを送ることも、パワハラになる危険性があります。

これは、セクハラとも強い関連性があるでしょう。多くの場合、女性社員に対して送られる、プライベートな内容についてのメッセージが問題になるからです。

さらに、女性社員に対して交際を求めるような内容のLINEもセクハラとともに、パワハラになり得ます。上司から部下であれば、なおさら女性社員は断りにくい状況なるでしょう。さらに、執拗に続けば、上司と職場で対面することも精神的苦痛になります。

また、同僚間や女性と男性の立場が入れ替わり、男性が被害を訴えるケースもパワハラに該当します。女性管理職が増えた現代において、男性社員側がパワハラの被害に遭うケースも同時に増えています。

男性にとっては、女性とは質の異なる悩みで、被害を訴えにくい状況になります。性別格差が縮まってきている現代において、“男だから”という先入観や偏見が、パワハラを顕在化しにくくしています。

パワハラと感じるLINEの判断基準と対処法

LINE上でのパワハラは閉鎖的な空間で起きるため、被害者はより判断に困ります。

社内グループLINEも十分閉鎖的ですが、個人間LINEはより閉鎖的です。それはつまり、目撃者がおらず、被害者は客観的判断を自ら行うしかありません。

しかし、メッセージの微妙なニュアンスが不快であっても、それがパワハラに該当するのか判断が難しいでしょう。また、自らの判断に自信と確信も持てなく、泣き寝入りともなりかねません。

もっと恐ろしいのは、パワハラによってすでに精神的に追い込まれている場合です。「自分が我慢すれば」、「自分が間違っているから」、と繰り返し言い聞かせ続けてきたことで、正常な判断能力を失っている危険性があります。

改めて、LINEでのパワハラの判断基準と、その対処法について確認しておきましょう。

就業時間内か否か

送られてきたLINEが、就業時間内か否かというのは、パワハラかを判断する明確な基準になります。

退勤後、休日や祝日は、社員は業務を離れた状態にあります。契約の段階で、緊急時の連絡が必要な場合を除き、それは一個人としてのプライベートな時間なのです。

そのような時間に、例えば深夜などに上司から業務に関する叱責があれば、それはパワハラです。そして、業務に対応することを強制されたり、精神的プレッシャーを強いられることもパワハラなのです。

契約に反した、就業時間外でのLINEによるパワハラ行為は、明確に被害者のプライベートを侵害しています。つまり、権利を侵害しており、契約に違反した行為が行われているのです。

もしこのような状況にある場合、手続きを通して被害を訴える正当性があります。

人格を否定されるような内容か

まず、LINEでのパワハラ被害には、叱責があります。職場においても、他の社員が見ている中で激しく叱責することはパワハラです。

LINE上は、他の社員の目がないため、終わりのない叱責が続くケースもあります。タイムラインにはおびただしい叱責の言葉が並び、被害者の「申し訳ございません。」という返信が淡々と繰り返されます。

もしその叱責の中に、被害者が「人格を否定された」と感じる内容のLINEがあればパワハラになります。

そして社内LINEグループでの、誹謗中傷も人格を否定するような内容であればパワハラです。これは、職場で対面であっても同様にパワハラになります。

しかし、社内LINEグループも閉鎖的空間で、それを目撃する他者がいない点がやはり大きな問題です。被害者にとっては、加害者側が口裏を合わせれば劣勢になってしまうからです。

このようにLINE上でのパワハラが深刻なのは、他者の目がないということが大きな原因の一つです。しかし、LINEには逆に被害者の味方になる性質があります。

それは、LINEでのメッセージは「記録」が残るということです。この「記録」は、パワハラ行為があったという、動かぬ証拠になります。

この「記録」を証拠にするために、被害を感じたら該当する箇所をスクリーンショットして保存しておきましょう。

スクリーンショットとは、ほとんどのスマホについている機能です。スクリーンショットを使うことで、パワハラがあったLINEの内容を画像データとして保存しておくことができます。

もし、スクリーンショットの使い方をまだ知らないということであれば、この機会にぜひ知っていただければと思います。これは、LINEでのパワハラに対する確実な対処法の一つです。

パワハラ加害者の人格を知る

いくらパワハラの判断基準が分かったとしても、全ての被害者が法的手段に訴えられるわけではありません。

それは、生活のために仕事をしなければならないからです。会社との関係を悪くしても構わない、という方ばかりではないでしょう。収入を得るため、多少のパワハラには耐えなければならないという弱い立場の、見えないパワハラ被害者が多く存在しています。

全てのパワハラをなくす、魔法のような対処法は存在しません。それは、特にLINEでのパワハラは、判断に困る微妙な内容だからです。

加害者に「やめてください」といって解決するなら、被害者は生まれません。パワハラ加害者は、正常なコミュニケーション能力や共感力に著しく欠けた人格の持ち主です。

そのような人物と直接対峙するのではなく、パワハラ行為を軽減させる接し方で対処する方がより合理的でしょう。

LINEでのパワハラの判断基準を、再度確認してみます。

  1. 就業時間内か否か
  2. 業務に関する内容か(プライベートな事柄ではないか)
  3. 人格を否定する表現の有無

もしこれらの基準から、微妙なラインでもパワハラと感じたなら、正常なコミュニケーションは諦めるべきです。

加害者に、被害を知ってもらうのではなく、逆に被害者が加害者の人格について考えます
それによって、どのような発言で加害者が感情的になるのかを知り、パワハラを避ける術を身につけるのです。

この対処法は、極端な例には無力かもしれません。それは、ただちに法的対応が必要なケースです。しかし、LINEでのパワハラを感じていながらも、訴えにくい微妙なケースには有効でしょう。

パワハラ加害者の人格について考え、自らLINEでのパワハラを避ける。これも、合理的な対処法の一つです。

LINEでパワハラ加害者にならないために

これまでは、被害者側の視点に立って見てきました。最後は逆に、LINEでのパワハラ加害者にならない方法について紹介します。

LINEで部下を注意しない

パワハラか否かは、「被害者がどう感じるか」で決まります。皆さんが上司の場合、業務についてLINEで注意したい場合もあるでしょう。

しかし、それはおすすめできません。なぜなら、LINEは「記録」が残るからです。それも、スクリーンショットとして保存されていれば、強力な証拠になってしまいます。
上司として正当な注意と思っても、部下の感じ方は分かりません。何気ない一言が、人格を否定しているとも受け取られかねないのです。

さらに、LINEでとなれば、あまりにもリスクが高すぎます。業務について注意する場合に、LINEは使うべきではないでしょう。

基本的に退勤後はメッセージを送らない

管理職の場合、考えなればならないことは多く、重い責任を負っていることでしょう。帰宅してからも仕事のことを考え、気づいたときに部下に連絡することも。

しかし、部下の退勤後に業務についてのLINEは控えるべきです。その時間、部下は就業時間外であり、”オフ”の状態にあるのですから。LINEを受ければ、「どうして休みの時間まで…」と、不愉快に思ってしまいます。

不愉快なのは、上司としても同じことかもしれません。自分だけが重い責任を負い、仕事について常に考えている。それに引き換え部下は非協力的で、責任感も感じられない。きっと、不公平感を持たれても不思議はありません。

それでも、”オフ”のLINEは、パワハラの危険性が高いです。様々な問題や疑問は、LINEでのメッセージではなく、別の方法を考えなければなりません。

人格についての内容や中傷になるようなメッセージは送らない

LINEだけではなく、SNSなどには顔が見えないという特徴があります。これは、いくら本名でも社内グループLINEでも同様です。多くのSNSでのトラブルが、それを証明しています。

対面していないという状況は、どこか気持ちを大きくさせ、油断させるようです。通常なら決して言わないような言葉も、ついスマホだと口をついてしまいます。

LINEで部下や同僚に、人格や中傷にあたるメッセージは送ってはいけません。しかし、言葉としては分かっていても、不用意になるのがLINEやSNSの恐ろしさでもあります。

「自分に限っては」と例外にはせず、LINEであっても人格に関する内容や中傷になるようなメッセージは送らない習慣をつけておくべきでしょう。

LINEでのパワハラまとめ

LINEでのパワハラに該当する行為から、判断基準と対処法についても紹介しました。

LINEには、個人とグループを問わず閉鎖的な空間という特徴があります。この特徴がLINEでのパワハラを深刻化させる要因でもあり、顕在化しにくい状況を作り出しています。

しかし、LINEには記録が残るため、被害者はスクリーンショットで被害の証拠を保存することが可能です。

  1. 就業時間外はメッセージを送らない
  2. 誹謗中傷や人格に関わるLINEはしない
  3. 業務に関係ないプライベートな内容には触れない

このように、LINEでのパワハラを避けることができます。
被害者、そして加害者にならないためにも、ぜひ参考にしてください。


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